「なんとなく素敵だから」で選んでいませんか?
ウエディングベールは、ドレスを引き立てる小物のひとつとして選ばれることが多い。けれど起源をたどると、花嫁を守るための道具だったという説や、丈の長さひとつで格式が変わるという知識に行き着く。
知れば、ベール選びの物差しが変わる。今日はそんな話をしたい。

起源説
ベールは「魔除け」だったという説
古代ローマの婚礼では、花嫁が赤や黄色のベールで顔を覆う風習があったとされる。邪視や悪霊から花嫁を守るお守りのような意味合いを持っていたという説が伝えられている。

習慣の変化
顔を見せないという約束事
政略結婚が一般的だった時代には、挙式が終わるまで花嫁の顔を花婿に見せないための布としてベールが使われていたという説もある。誓いのあとにベールを上げる所作は、この名残とも言われている。

白いベールの誕生
ヴィクトリア女王の結婚式がきっかけに
1840年、イギリスのヴィクトリア女王が白いウエディングドレスで結婚式を挙げたことをきっかけに、白いドレスと白いベールの組み合わせが花嫁の正装として世界中に広まったとされる。

受け継がれる所作
「ベールアップ」という儀式として
現在では、挙式の最後に新郎がベールを上げる「ベールアップ」が、二人の新しい人生の始まりを象徴する演出として、多くの結婚式で取り入れられている。
丈という物差し
実は6種類。ベールの「丈」を知っていますか?
目もとから鼻先ほどまでの、ネット状の短いベール。クラシカルな雰囲気を演出でき、少人数での挙式や人前式で選ばれることが多い丈。
顔にかかる部分だけの短いベール。挙式の間だけ顔を覆い、誓いのあとに新郎が上げる「ベールアップ」の演出に使われることが多い。
腕を下ろしたときの指先あたりまで届く丈。挙式にも披露宴にも扱いやすく、幅広いシーンに合わせやすい万能な長さとされる。
丈という物差し・続き
丈は、まだ続く。
膝からふくらはぎのあたりまでのミディアム丈。動きやすさと華やかさのバランスがよく、会場を歩く場面でも扱いやすい。
床に届く、もしくはわずかに引きずるくらいの長さ。フォーマルな挙式で選ばれることが多く、ドレスのトレーンとの調和も意識される丈。
2メートルを超えて長く流れる、もっとも格式の高い丈。大聖堂での挙式や、格式を重んじる披露宴のバージンロードで映える。
シーンで選ぶ
挙式のスタイルで、似合う丈は変わる
教会式・格式のある挙式
チャペル丈やカテドラル丈のような長さのあるベールは、バージンロードを歩く時間が長い教会式や、格式を重んじる披露宴との相性がよいとされる。
人前式・少人数の挙式
バードケージ丈やフィンガーティップ丈のような短めのベールは、身動きがしやすく、ゲストとの距離が近い人前式やアットホームな挙式で選ばれやすい。
和装との組み合わせ
白無垢や色打掛に洋装のベールを重ねる、和洋折衷のスタイルも増えている。丈の短いベールなら、和装の重厚感を邪魔しない程よい抜け感が生まれる。

寸法の読み方
「フェイス」と「トレーン」という言葉
ベールのサイズは、顔まわりにかかる「フェイス」と、背中から後ろへ流れる「トレーン」という2つの長さで表されることが多い。
当店のロング丈は、フェイス約60cm・トレーン約300cmという設計。先ほどの分類でいえばチャペル丈からカテドラル丈に近いボリュームで、「ウエディングベール ロング アイビーボタニカル・クリスタル&ビーズ刺繍 LV-U317」のような刺繍入りのロングベールを合わせると、バージンロードでの後ろ姿がより印象的になる。
一方のショート丈は、フェイス約60cm・トレーン約100cm。フィンガーティップからワルツ丈に近い長さで、身動きのしやすさを求める人前式やアットホームな挙式に向いている。「ウエディングベール ショート ホースヘア LV-U324」のように、はりのある素材を選ぶと輪郭がすっきり見える。
丈の知識を、選び方に
丈で選ぶ、ウエディングベール
知って選ぶと、ベールはもっと特別になる
何気なく選んでいた一枚の布には、時代を超えて受け継がれてきた理由があった。丈の意味を知ったいまなら、鏡の前でベールを合わせる時間が、これまでとは少し違って見えるはずだ。































